禁域―秘密の愛―【完】
愛ちゃんに更に感謝の意味も込め、私は微笑み返した。
今日のコンテスト収録開始時間は13時。 今は10時で候補者はそろそろテレビ局へ出向かなければならない。
私は、一つ深呼吸しーーーー、胸に手を置いた。
…………絶対に、優勝する。
そう自分に言い聞かせたーーーー。
そして、その瞬間………私のスマートフォンが鳴り響いた。
「瞳!携帯が」
「あっ、う、うん………。………え?」
愛ちゃんに言われ電話の相手を確認すると………それは、予想もしていなかった人物からだった。
「桐谷………さん。桐谷 光から………?」
桐谷 光はこの3年で一度たりとも私に電話を掛けてきた事などない。 掛けてくるのはいつも、彼の秘書か、彼が付けてくれた語学の教師だ。
なので全くもって、この状況は普通でない。
「珍しいわね? 桐谷君のお父さんからなんて………。あっ、もしかして 瞳へ応援のメッセージとかじゃない?」
そう言って、愛ちゃんは楽しそうに微笑みながら言うけれど………本当にそうだろうか?
ーーーー桐谷 光からの着信を見たその瞬間から感じる胸騒ぎは一体何?