禁域―秘密の愛―【完】
「瞳も、バカよ………! 本当に、バカ…………」
「………ッ、 だよねっ………、私ってば………」
その愛ちゃんの涙は………当たり前のように、私の目頭を熱くした。
「ほんっと………、バカだッ…………。ーーーーッ、うっ………」
そう………、愛ちゃんの言う通り私は本当にバカだ。 巧が生きていると信じて長年努力し続けて、ついに出場権を勝ち取ったコンテストに出れば良かった………。
そうすれば、巧と一緒にいられる権利を私はやっと手に入れられるかもしれなかった。
だけど、巧の命が消えかけている………その時に他の事なんてどうしてもしていられなかったんだーーーー。
「ッ、………うっ、うーーーーッ………」
私は、しばらくの間、ただただ愛ちゃんの胸に抱かれながら泣く事しかできなかったーーーー…………。
ーーーーーー
そしてーーーー、 数時間後。
私は、手荷物を急いで詰めた後、愛ちゃんとタクシーに乗り空港へと到着していた。
腕時計を見ると飛行機の時間まであと少し。そして………コンテストの収録はとっくに始まっていた。
「私………、本当にコンテスト行かなかったんだな………」