禁域―秘密の愛―【完】
コンテストの件を、再び実感する羽目になり私の胸は少し痛む。
だけど………、これで良いんだ。
「………瞳、急いでたから喉乾いたでしょ? あたし、何か買ってくる」
「う、うん………! ありがとう」
愛ちゃんは私がそう返事をするとニコリと微笑んで、売店へと向かった。
愛ちゃんには本当にいつも感謝している。いつも、いつも巧を想う私を気遣ってどのような決断をしても応援してくれている………。
「それにしても、疲れた………。チェックインする前に少し休憩しよう………」
そう思った私はチェックインカウンターの背後にある空いている椅子に座り込んだ。
その時………、また携帯がなった。
その相手は………桐谷 光だった。
「………また?」
一体、何だろうと思いつつも私は電話に出た。
「はい………綾瀬です」
「………もう空港には着いたかね?」
「え、えぇ。 まぁ………、今チェックインをしようとしているところですが………」
「そうか。………しかし、君。 チェックインをするにはチケットが必要だろう? 私は君にまだ渡していないが?」
「あっ………」
そうだ………、巧の事で頭がいっぱいで私は一番大切な事に気付いていなかった。