禁域―秘密の愛―【完】
昼食を食べ終わった後も、私は落ち着かなかった。
予想以上の………、自分の独占欲に気付かされたから。
「綾瀬、どうかしたか?」
明らかに様子が変な私を、桐谷君が訝しげに見つめる。
「な、何でもないよっ」
どうしよう………。
私、今、どんな顔しているんだろう?
そんな私の気持ちは、簡単にごまかせるはずがなく、桐谷君は近くの公園のベンチを指差した。
「もしかして、さっき………彼女だって言ったこと気にしてるのか?」
そして、桐谷君はいきなり直球を投げてきた。
ああ………、どうしよう。
ここで………、気にしてるっていえばいいの?
好きだって伝えたらいいの………?
だけどーーー
「………綾瀬?」
ーーー分からない。
桐谷君の気持ちが………、見えない。
桐谷君は私を抱きしめたり、傍にいたりしてくれるけれど。
今だって、こうして優しく問いかけてくれるけど。
だけど、一度だって彼が私と同じ気持ちだとは言ってない。