禁域―秘密の愛―【完】


到着ロビーに着くと、今帰国したばかりの人達、そしてその人たちの帰りを待つ人達で溢れていた。

「やっぱり、平日でも人が多いわね。ここらへんは」

「そうだね………」

私も………、巧の帰りを待ちたかったな。

アテラ社の事も、コンテストの事も何もかも乗り切って………その姿を見たかった………。

「あっ………、瞳!また人の行列が来たわよ? 何々、ニューヨーク便からの帰りか………」

愛ちゃんに不意にそう言われて、私はその行列に目を向けた。


そして………その中の人達に


「…………え?」




私はーーーー…………、信じられない人を見た。




「…………ウ、ソ、でしょ………?」


そんな筈は無い………。 彼がここにいるわけがない。


だって………だって、私は今から彼の元に行こうとしているのだから。



だけど…………、 流れて来たキャリーバッグを持ってこちらへ歩いてくる彼と………目がぶつかる。


そしてーーーー


「………………瞳?」



彼が………私の名前を呼んだ。その瞬間ーーーー


「た、くみっ…………?」


間違いなく、彼は巧なのだとーーーー知った。







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