禁域―秘密の愛―【完】
まるでーーーー、時が止まったようだった。
巧が………生きてる。 私の名前を呼んでくれた………。
それが、酷く奇跡のように感じられて………、巧以外何も見えない。
「瞳………、 お前、何で………」
巧も驚いた顔をして私を見ている。そして、私はその声を再び聞いた途端
「ッ、巧ッ………!巧ッ………!」
私は、堪らなく彼に触りたくなり………、巧を人目を憚らず抱きしめていた。
「っ、 瞳ッ………!?」
「巧………、本当に、巧だよね………? 生きてるよね………?ッ、私ッ………私ッ………巧がもういないかと思ってっ………」
「俺が………いない? 何だ、それは………?」
巧は、どこか戸惑ったようにそう言ったけれど、私の高ぶった気持ちは言葉を止まらせなかった。
「巧………巧っ………本当に、本当にあなたで、私っ………安心してっ………」
「瞳………」
やがて、彼もそんな私を見て言葉を止めた。そして………私を抱きしめ返した腕の力を強くした。
「きっと、また俺は不安にさせてたんだな………瞳の事を」
「巧ッ………」
「でも俺は………ここにいる。 ちゃんと約束通り………瞳とずっと離れない為にブラジルから戻って来た。 瞳………、長い間、俺の為に待っててくれて、ありがとう」