禁域―秘密の愛―【完】
「ううん………、いいの。巧がここにいる………それだけで」
私はそう言うと、巧の全く変わらない温もりと声に………またその存在が堪らなくなり巧をどこまでも強く抱きしめた。
「俺もだ………。 瞳がまた俺の腕の中にいるなんて………夢みたいだ」
そしてどこまでも、そう言って私を抱き締め返してくれる巧。 それだけでとても幸せを感じる。
巧がいなくなるかもしれないと思っていたさっきまでとは………全く違う。
そう思っていた時だった。
「………感動の再会は済んだか?」
聞き慣れた声がし、 巧と私はお互いの身体を少しだけ離すとその方向を振り向いた。
「………父さん」
「桐谷さん………」
事隣を見守っていた愛ちゃんの横に………桐谷 光がいた。
「巧、この時間のフライトで戻って来れたな。 ちゃんと」
「あぁ。 それより父さん………。話がある。なぜ、瞳が俺がいなくなると取り乱しながらスーツケースを持って空港にいた? そしてーーーー、何より今日は瞳のコンテストの日じゃなかったのか?」
「そ、そうですよ! ていうか、アンタが瞳に桐谷君が意識不明の重体になってるとか言うから、瞳はコンテストのことも桐谷君と一緒にいられる可能性も捨てて、桐谷君を救おうと 桐谷君の元に行こうとしたのに………!! ウソでも、あんまりじゃ無いの!!」