禁域―秘密の愛―【完】
「あ、愛ちゃん………」
桐谷 光を相手に物怖じせず、私の言いたいことを愛ちゃんが全て言ってくれたので私は何も言えなかった。
「………そうだな。 お前達が、 混乱しても仕方がないだろう。だから真実を話そう」
「真実だと………?」
「そう。 ーーーー結論から言おう。 もしも………、 綾瀬君が、巧が瀕死の状態であると聞かされてもコンテストに行く事を選べば………私は、お前達の仲を断じて許さなかった。何があっても、壊すつもりだった」
「壊す………、ですか?」
「そうだ。 ………勿論、最初は綾瀬君に本来課した課題を綾瀬君がきちんとこなせば巧との仲を認めるつもりだった。 しかし………私は、綾瀬君が課題を進める度に見てみたくなったものもあった」
「それは………何だったんだ?」
「…………どれだけ、 巧の事を好いているかだ。 どれだけ、私の息子の事を真に想いーーーー、努力をしているのか。それが………知りたくなったんだ」
「………….!」
私は………、桐谷 光のその台詞に何も言葉が出てこなかった。
ずっと………生まれた環境や育ちの違いだけで、巧と私の仲を認めようとしなかった桐谷 光からそんな言葉が出るなんて………思いもしなかったからだ。