禁域―秘密の愛―【完】
"本当ですか………!?"
"あぁ。 その代わり………絶対に君を支えてくれる社員や………そして、何よりヒトミを幸せにするんだ。 それが少しでも見えなければ私はすぐ契約を破棄する"
"はい………! ありがとうございます………!"
巧はそう言って、社長に何度も頭を下げたそうだ………。
そしてその数日後、正式にアテラ エネジア社と桐谷商事は新エネルギーに関する共同開発及び使用の契約を結んだーーーー。
「まさか、私がそんなに深く関わってたなんて………」
大企業の一大プロジェクトが、まさか 私の名前が出され遂行された事にあいた口が塞がらなかった。
「驚かせたな。 ………無理はない。普通は、 ビジネスの場で私情は持ち出さないからな。他のビジネスをする人間から見たら笑われたかもしれない。 けど、利益を表すグラフや作り込んできた資料よりも………いや、きっと何よりもきっと効くと思ったんだ。瞳の事を言うことが。結局、それが俺にとって大切な事だったから」
巧はそう言って、優しく私に微笑んだ。
巧と………私の気持ちが、桐谷 光を恨んでいたアテラ社の社長の心を動かした。
いつも私達自身も傷付け………そして、優斗や朝香さんといった大切な人も深く傷つけた………想いが。