禁域―秘密の愛―【完】
私は直ぐに巧の声が震えている理由がわかった。
……………嬉しいよね?巧。
やっと………やっと、私達の声が……….、 あの桐谷 光に届いたと分かったのだから。
「だから………私は、思った。 巧達のいう"想い合う心"というのはどれ程強いものなのかと。 そして………、その巧の相手である綾瀬君が、本当に巧を想う気持ちというのはどれくらいのものなのかと」
「桐谷さん………」
「だから、私は今日確かめた。 綾瀬君の巧に対する想いの強さをね。 もし、彼女が………巧が今、命の危機にあると聞かされても、コンテストに行くと言ったならば、私は巧の事を一番強く想っているのでなく、将来的我が社の社長である巧との仲を維持することのみに固執していたのだ、と判断するところだった」
「そ、そんな事を思ってらしたのですか………」
更に、衝撃の事実を告げられ私は開いた口が再び開くのに気付いた。
………桐谷 光から課された最終課題はコンテストでなく、巧の事をどれだけ想っているかという課題に急きょ変更されていたということだ。
「………だから、瞳が空港にいたのか」
「そうだ。 コンテストも本当は今日でない。 今週の土曜だ」