禁域―秘密の愛―【完】
「ど、土曜………」
「大会の主催者に頼み、君に偽の日程をいうよう指示した」
「そ、そうでしたか………」
まさか、コンテストの日程まで桐谷 光に操られていたとは………。
「そして君は………コンテストではなく巧を選んだ。 それで、気が付いた」
「えっ………? 」
「巧と………一緒にいるべきは、何よりも巧を愛する綾瀬君だった。 今までの様々な無礼をここでお詫びする。………本当にすまなかった」
そう言うと、桐谷 光は巧と私に頭を下げた。
あのプライドが高くどんな時も巧と私の仲を世間体や、置かれた立場の違いで反対をしていた………あの桐谷 光が。
私は………その光景が信じられずしばらく立ち尽くしていた。
「………許してくれるのか? 瞳と俺の事を」
「あぁ。 巧、お前もちゃんと私の課題を成し遂げた。 当たり前だ………」
「…………っ」
けれど、もう一度桐谷 光が巧にそう優しい声で告げた時
やっと………やっと、これは現実なのだと知ることが出来て
「…………あっ!」
「っ、瞳っ!」
張り詰めていた心が全て解されていくような感覚を覚え………一気に力が抜けた私はその場に座り込んでいた。