禁域―秘密の愛―【完】


「お礼は別にいい。 瞳に元々それがあっただけの事だから、俺は何もしてない」

「でも、言いたくなったの。………後、後ね?」

そしてそのまま、私は彼に伝えたくなった。
今の………どうしようもなく溢れ出しそうなこの気持ちを。

「どうした?」



「………大好きよ、巧」



「………なっ!」

そう耳元で巧に言えば、急に巧はそこを手で押さえながら慌てふためいたように私を見る。

「お前………、急に何をっ」

「どうして? 言いたくなったから言ったのに」

顔を真っ赤にして慌てる巧が可笑しくて、思わず笑ってしまった。

いつも巧の方が優位なることが多いから、不意ではあったけれど今の状況は悪くない。

「瞳………、まさか俺をからかってる?」

「んーーー、………そうだったらどうするの?」

そう言って、私が笑いながら返すと巧は少しムッとした顔をして

「………許さない」

「え、許さないって、ーーーーんっ………」

赤信号になった途端、巧は私の手を引き寄せ………キスをした。

「ん、………んんッ………」

角度を変えながら、どんどんそのキスは深くなっていく。


< 686 / 714 >

この作品をシェア

pagetop