禁域―秘密の愛―【完】


「俺はあの言葉を………、嘘にしたくない」

「え………?」

私は、桐谷君の言葉に驚いた。

まさか、それってーーー

「だから………、綾瀬。家の事が済んだら、お前に言いたい事がある。………聞いてくれるか?」

ここまで言われれば、さすがの私でも分かる。

それは………、桐谷君が私をどう思っているかということだ。

私がずっと求めてきたことだ………。

「………うん」

私は、桐谷君の目を見て返事をした。

「私も桐谷君に………言いたい事があるよ?」

本当は………、今すぐにでも伝えなきゃいけないことが。

さっきから、怖くて怖くて仕方なくて………でも、どうしても伝えなきゃいけないことが。



あなたのことが、好きだってーーー。


「………うん。分かった」

そう言うと、桐谷君は私に嬉しそうに微笑んだ。つられて私も笑顔になった。

桐谷君に………、今すぐにでもこの気持ちを伝えたい。

あんなにも怖くて仕方がなかったのに………、桐谷君はするりとそれをすり抜けて、私をその上へと連れて行く。

なんて、凄い人なんだろう?

そしてその度に、愛しさは募っていくーーー。



< 70 / 714 >

この作品をシェア

pagetop