禁域―秘密の愛―【完】
この気持ちに、嘘をついたら駄目だ。
桐谷君とも、きちんと気持ちを伝えると約束したからーーー。
「かれんちゃん………。 ごめんなさい」
「えっ?」
「私………、それだけは出来ない」
私は思いのままをかれんちゃんに伝えようと思った。
それが、今の私にできる精一杯の行動だった。
「なっ………! どうして!?」
案の定、かれんちゃんは驚きながら私に詰め寄る。
かれんちゃんは私にちゃんと言ってくれた。桐谷君のことを好きだと。
それなら、私の気持ちを黙っておくのはフェアじゃない。
「………私も」
「何?」
「桐谷君が好きなの………。だから、協力できない………。本当にごめんなさい。
でも………この気持ちだけは、譲りたくないの」
容姿も、勉強も、運動も、家柄も。
桐谷君と私の間に、釣り合いがとれているものなんて何一つない。
だからこそ………、この気持ちだけは守りたい。
それがあの日、傍にいてほしいと桐谷君に言われた私の決意。
「………そう。瞳ちゃんも桐谷君の事を、ね」
かれんちゃんはそう呟く。その瞳はどこか動揺の色を帯びているように見えた。