禁域―秘密の愛―【完】
「どうしたのっ?」
「ごめんね。もう帰ったかと思ったんだけど………。でも私、どうしても今、瞳ちゃんに学校へ来て欲しいの」
「え?どうして?」
「………瞳ちゃん、嫌がらせ受けてたでしょ?」
かれんちゃんの、予想外な質問に私は一瞬、身体を硬直させた。
なんで、かれんちゃんがそのことを………?
でも、私がかれんちゃんと初めて会った日。
あれはちょうど、嫌がらせを受けてた時だった。
かれんちゃんが勘の鋭い子なら、それに気が付いていても不思議じゃない。
落ち着くんだ………。
「それがどうかしたの………?今はだいぶ収まってるし………平気だよ?」
「それが、平気じゃないのよ。私………、見付けたの。真犯人」
「え?」
「桐谷君と瞳ちゃんの写真を、クラスの子に渡した………真犯人」
それを聞いた瞬間、嫌な汗が背中を伝った。
「落ち着いて聞いてね。私も、写真のことは知らなかったの。
だけど………、同じクラスの子が、そのことを話してるの聞いちゃって、問いつめてみたの。
そしたら、瞳ちゃんに今から謝ってくれるって約束してくれた」