禁域―秘密の愛―【完】

「今から………?」

「進路相談室にその子達はいるから。
瞳ちゃん、こういうことって絶対に曖昧にしたらダメ。
傷付けられたら、謝ってもらうのが当たり前なんだから。だから、瞳ちゃん。来て?お願い」

「かれんちゃん………」

正直に言って、嫌がらせの真犯人と会うのは嫌だった。
だけど、かれんちゃんの気持ちに応えたい気持ちもある。

私のために、そこまでしてくれた人を拒否することなんて………、出来ない。

「分かった………。今から、行くね?」

「良かった………!待ってる」

かれんちゃんは、そう言うと電話を切った。

「ごめんね、おばあちゃん。私、学校に戻らなきゃいけなくなったみたい」

「こんな時間に?いくら夏だからって危ないよ。明日は?」

「ううん、今じゃなきゃダメみたい………」

本当は、もうちょっとおばあさんの傍にいたかった。
けれど、事情が事情だからどうすることもできなかった。



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