禁域―秘密の愛―【完】
「折りたたみ傘持ってるので、良かったら使ってください。荷物は、私が持ちますから」
「え? お嬢ちゃん、でも」
ーーーその時だった
「ばあちゃん、見つけた! ………綾瀬?」
ーーー………え。
その聞き覚えのある声に私は、恐る恐る振り向いた。
「ーーーッ、う、ウソッ!?」
なんで………、 なんで!!
なんで桐谷君がここにいるの!?
しかも。このおばあさんを“ばあちゃん”って………!
「き、桐谷くっ………、えっ、えっ?」
何が何だか分からなくなった私は、完全にパニック状態に陥った。
いきなり苦手な人が目の前に現れるなんて、あり得ない!!
「………おい。人をまるで化け物のように扱うな」
「えっ、あっ………」
確かに………そうかも。
私、桐谷君があまりにも怖くて、いつも彼を前すると怯えていた。
もしかして、桐谷君………気付いてたかな?
嫌な思いをさせた………?
「ごめんね………。桐谷君」
さすがに悪く思い、謝った。すると、桐谷君は目を見開いて、驚いたように私を見た。