禁域―秘密の愛―【完】


その時クスクスと笑う、聞き覚えのある女の子の声がした。




「ーーー瞳ちゃん、こんばんは」




私はその瞬間、藤咲君の後ろに………かれんちゃんを見つけたーーー。


「か………れんちゃん?これは………何?ふざけてるの………?」

私は、できるだけ笑ってかれんちゃんに問いかける。

だって、信じたくなかった。

あのかれんちゃんが、私のことを笑いながらも、どこか冷たい目で私を見てるなんて………。

「ふざけてるって?瞳ちゃん………。あなたってどこまでもお人好しね。
この状況でそんな発想が出来るなんて」

「っ………!」

「瞳ちゃん。今日、ここに真犯人が来るって私言ったけど………もう来たの。

ーーー私よ。私があの写真を撮ったの。

あなたが、桐谷君に近付くから………いけないのよ」

そう言うかれんちゃんの目は、私をこれでもかというほどに睨みつけていた。

そっか………。やっと、分かった。

いつだったか普段は優しいかれんちゃんが、こんな眼差しを向けてくることがあって、私は違和感を感じた。

それは………、私に対する憎悪の感情が隠せなかった瞬間だったんだ。

私はそう思った瞬間、涙が頬を伝った。


ーーー友達だと思っていたから。



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