禁域―秘密の愛―【完】
「友達だと思ってた………」
「はあ?あんたと私が友達って!笑わせないでよ!あのね、馬鹿が付くほどお人好しな瞳ちゃんに教えてあげる。
写真の嫌がらせは思いの外、効果がなかったから友達として偶然、保健室に来た瞳ちゃんに近付いたの。
その方が………今みたいに深く傷付くでしょ?私ってばなかなかの演技力じゃない?本当は、あんたのことなんか大嫌いなのに」
かれんちゃんは、泣いてる私を見てまるで、無邪気な子供のように笑っていた。
「酷い………っ、酷いよっ………!」
「酷いのはあんたよッ!」
「っ!」
一瞬にして、鬼のような形相に変わった、かれんちゃんを見て何も言葉がでなくなった。
「私………桐谷君が初恋だったのよ。いつもいつも病院通いで、いつ体調が悪化して死ぬかもわからない私に、桐谷君の存在は生きる希望をくれた。まるで、太陽みたいにキラキラして見えた。
こんなに綺麗な男の子がいるのかって。
どうしても………桐谷君を私のものにしたかった」
「っ、かれんちゃーーー」
「だけど………!桐谷君は………、地味で何の取り柄もなくて、いてもいなくてもいいあんたみたいな女に、完全に夢中になってた………!
私が、思い切って告白した時も、好きな女がいるからと。
その子じゃなきゃ………ダメなんだと。なんで………なんで、あんたなんかにッ!」