禁域―秘密の愛―【完】

「ん、んんーーーッ!!」

首筋に、嫌な感触がはしる。
藤咲君が、容赦なく私の制服に手をかける。

いや………、いや………!


桐谷君以外の男の子に触れられるなんて、嫌………ッ!!


「………お前が、傷付けばかれんは救われる」

耳元で、藤咲君が何回もそう囁く。
かれんちゃんは、そんな様子を面白そうに見ている。

なんで………、どうしてこんなことに………ッ!



助けて、誰か………

誰か………!


ーーー桐谷、君………




「き、…………っ、んうっ」


桐谷君………、助けて………っ!


ーーー助けて、桐谷君っ………!




ーーーパシャッ

その時……….、カメラのようなシャッター音がした。

「な、何………?」

かれんちゃんの戸惑う声が聞こえる。
藤咲君の手も止まった。

「………婦女暴行未遂の現行犯だ。柴咲かれんに藤咲 蓮」


この………声はーーー

「っ………!」



桐谷君………!!


「なんでっ………!きゃ!?」

桐谷君は、かれんちゃんを力強く押すと、藤咲君の胸ぐらを勢いよく掴み顔を殴った。

「っ、うっ………!」

その衝動で、藤咲君は床に倒れた。桐谷君は私を起き上がらせ、はだけた制服をかけてくれた。

「綾瀬………!大丈夫か!?」

桐谷君………、桐谷君。

来てくれた………!
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