禁域―秘密の愛―【完】
「かれん………!?どうしてだよ!?あんなにお前、桐谷のこと………!」
「ーーーだって!蓮が………」
「俺がなんなんだ!」
「蓮が………、いるから………」
ーーー"蓮がいるから"
その言葉に、藤咲君は力を吸われたかのように動かなくなった。
「蓮がいるって分かったから………、もういい」
「かれん………?」
「蓮………、ごめん。私、蓮の気持ち知ってた。だから、私を好きな蓮の気持ち………沢山利用してきた」
「………そんな事は分かってる。それでも、お前が少しでも楽になれるなら俺は良いと思ったんだ。だからお前は………、気にすることは」
「ッ、違う!!私がいけなかったの!! いつもいつも蓮がいたから………、支えてくれたから。
私は何があっても………、どんなに身体が苦しくても生きてこれた。 それを当たり前だと………思い過ぎてた」
「かれん………」
「でも違う………!当たり前なんかじゃない!さっき思ったの。もし………、今の事が明るみになって、警察にでも捕まったら………私は、こんな身体でもあるし蓮には一生会えない。
そう思ったら………、怖くなった。
蓮のいない生活なんて、私の中には何一つ存在してなかったッ………!!」