眠り姫はひだまりで【番外編】
…冗談じゃ、ないよ。
なんで、よりによって、彼女なんだろう。
…あの子とどことなく似ている、彼女は。
見た目や雰囲気こそそのままだけど、少しだけ違うようだった。
…そう、『今』の、色葉とは。
僕はまだ痛む頭をうつぶせて、小さく声を漏らした。
「……思い出すんだよ……」
僕が依存してる、あの子。
無邪気に笑う、あの子。
恋愛なんてなんにも知らなくて、僕のことを大切な大切な、友達だと思っていた…あの頃の。
「…色葉」
大きな違いなんて、ない。
きっと澪でさえも、わかってない。
中学の頃の色葉と、今の色葉。
恋を知ってしまった色葉は、なんだか少しだけ、大人びてしまった。
柔らかな笑みのなかに、どこか寂しさを残していて。
町田さんは、好きだと言った。
理由なんかないけど、僕を好きで、諦めないと。
素直で遠慮なんて知らない、そんな子。