眠り姫はひだまりで【番外編】


僕が町田さんを目で追っていたのは、ただ単に色葉に似ていたからじゃない。


…あの頃、僕の隣を歩いていた色葉を、思い出させるからだ。






それから、町田さんは何かと僕の周りをうろちょろするようになった。

廊下を歩いていたら、話しかけられたり。

放課後、一緒に帰ろうと言われたり(全部断ったけど)。

…けれど絶対に、彼女が僕のクラスへ来ることはなかった。



「せーんぱいっ、一緒に帰りませんかっ」


放課後、柚木と靴箱へ向かっていると、やっぱり今日も町田さんは来た。

僕はいつも通り、「ごめん」と言ってそのまま靴箱へ向かう。

「…もお、先輩いっつもそればっかりじゃないですか!」

…だって、嫌なものは嫌だし。

僕だって、結構冷たいなとは感じるけどさ。

期待させちゃ、だめだろ。


「…帰るのくらい、いいんじゃねえの?」


ね?と、隣で柚木が苦笑いを浮かべる。

…他人事だと思って。



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