眠り姫はひだまりで【番外編】
僕が町田さんを目で追っていたのは、ただ単に色葉に似ていたからじゃない。
…あの頃、僕の隣を歩いていた色葉を、思い出させるからだ。
*
それから、町田さんは何かと僕の周りをうろちょろするようになった。
廊下を歩いていたら、話しかけられたり。
放課後、一緒に帰ろうと言われたり(全部断ったけど)。
…けれど絶対に、彼女が僕のクラスへ来ることはなかった。
「せーんぱいっ、一緒に帰りませんかっ」
放課後、柚木と靴箱へ向かっていると、やっぱり今日も町田さんは来た。
僕はいつも通り、「ごめん」と言ってそのまま靴箱へ向かう。
「…もお、先輩いっつもそればっかりじゃないですか!」
…だって、嫌なものは嫌だし。
僕だって、結構冷たいなとは感じるけどさ。
期待させちゃ、だめだろ。
「…帰るのくらい、いいんじゃねえの?」
ね?と、隣で柚木が苦笑いを浮かべる。
…他人事だと思って。