眠り姫はひだまりで【番外編】


…フレーバーの、何がそんなに可愛いんだろう。

女の子って、なんで何でもかんでも可愛いっていうんだろう。


高校からだいぶ歩いた先にある、広い公園。

そこに、毎年この季節になるとアイスの移動販売がやってくる。

彼女はここを知らなかったみたいで、さっきから可愛い可愛いとしか言ってない。


「えーっと、じゃああたし、バニラで!」

カラフルなフレーバーに喜んでいたのに、結局選ぶのはバニラなんだな。

僕はチョコ味を頼んだ。

店員が代金を言って、町田さんが財布を出す。

僕も鞄から財布を取り出すと、町田さんは「えっ」と声を出した。

「あたし、おごるって…」

「本当に女の子におごってもらうわけないでしょ。自分の分は自分で出すよ」

言いながら店員に自分の分の代金を渡すと、町田さんは嬉しそうに「ふふ」と笑った。

「…なに」

「いーえ、先輩、優しいなぁって」

…別に、おごってあげたわけじゃないじゃん。


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