眠り姫はひだまりで【番外編】



「…ちょっと、いい?」


町田さんは何度も頷いて、「もちろん!」と言った。







「ごめん」


人気のない階段の踊り場につくなり、僕はぱっと頭を下げた。


「…え、な、なんですか?」


町田さんが、びっくりして声を出す。

「…ごめん、町田さん。僕、最低なことしてた」

すっと頭を上げ、彼女の顔を見る。

…不安気に、瞳を揺らしていた。


「…町田さんと…僕が、好きな女の子っていうのが…似てるんだ、すごく」


目の前のあどけない瞳が、見開かれる。

僕は拳をぐっと握りしめて、話し続けた。

「…町田さんには感謝してるし、いい子だと思う。けど…だからこそ、これ以上は申し訳ない」

「……せんぱ」

「町田さんを見るたび、思い出すんだ。僕は純粋な気持ちで町田さんを見れない。…ごめん」

もう一度、頭を下げて。


「……僕のことは、諦めて下さい」


最低だ。

我ながら、なんて自分勝手。


< 187 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop