眠り姫はひだまりで【番外編】
いつもの癖か、誰よりも早くお弁当を食べ終わった色葉が「デザート〜」と言いながら、嬉しそうに小さな入れ物の蓋を開けた。
入っていたのは、真っ赤な真っ赤な…
「いちごー!」
フォークに、練乳のかかった苺が刺さっている。
色葉はニコニコ嬉しそうに、それを私達へ見せた。
…こんなにも、苺の似合う女子高生がいるだろーか。
微笑ましいなあと思いながら、「よかったねー」と裕也くんと温かい視線を向ける。
すると、水野くんが苺を指差して言った。
「一個ちょーだい」
そして、色葉のほうを向いて口を開いた。
色葉の目が、小さく見開かれる。
…あ、あ、『あーん』ですよ!皆さん、『あーん』ですよー!
苺と変わんないくらい顔を赤くさせた色葉が、震える手でフォークを水野くんの口へ持っていく。
それを、あたしは固唾を呑んで見守った。