眠り姫はひだまりで【番外編】


ぱくり、と水野くんが苺を食べる。

ぺろりと、舌で唇を舐めて。


「ありがと」


にっこりと、笑うものだから。

…卒倒しそうなほど、色葉の顔が真っ赤に染まった。

周りを見ると、どうやら今の光景を見つめていたらしい女子たちの目がハートマークになっている。

…さすが、学校の王子。

笑顔の破壊力、やばいです。


あたしまでくらくらしていると、裕也くんがやけににっこりとして「ミオちゃん」と言った。

「なに?」

あたしが裕也くんのほうを見ると、彼は何故かどきりとしたような顔をする。

そして、視線を迷うように動かし始めた。

「…あー…や、なんでもない」

…?

なんだろうかと思っていると、裕也くんはまるで誤魔化すみたいに「色葉ちゃんって苺似合うよね」と言った。

「へ?そう?」

「うん。甘いもの好きーってかんじ」

「そーだねえ、甘いものは好きだよー」

色葉が「純くんは?」と訊く。

「俺はー…まあ、甘いのも辛いのもどっちもいけるよ」

「そーなんだ。私辛いの駄目なんだよねえ。あ、ミオは辛いの大丈夫だよね」

内心ぎくりとしながら、「ああ、うん」と返事をした。


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