眠り姫はひだまりで【番外編】
「豚キムチ入れてみたんだけど。このあいだ、肉とか辛いものすきって言ってたでしょ?」
しかも、丁寧な心遣いまで。ポイントたけーよ。
「…ま、まじで!?わ、ありがと!豚キムチ好きー!」
なんて、とりあえず喜んでみるけれど、内心は笑えない。
いや、嬉しいよ。
嬉しいんだけどさ。
お昼休みに彼氏から、豚キムチの野菜炒めを振舞われる女子高生って、どうなんだろうか。
しかも、美味しいし。
ガツガツ食べるあたしを見て、裕也くんはニコニコ笑っている。
…昨日の帰り道、突然『明日、お弁当持ってこなくていいよ』と言われたときは、なんだと思ったけど。
まぁ、大体予想はしていた。
…この彼氏は、非常に料理が上手い。
あたしなんて、料理こそ出来ないくせに、食べるのは肉や辛いものが好きっていう、お世辞にも可愛いとはいえない趣味をしている。
女の子らしくないことは自覚していたのに、付き合う前に一度、好みについて口を滑らせてしまったのだ。