眠り姫はひだまりで【番外編】


誕生日の放課後っていう貴重な時間を、純くんは私と一緒に使ってくれるって言うんですよ。

そりゃ、嬉しいに決まってるじゃないですか、アナタ。

そう言ってフフフと笑うと、ミオはあからさまに眉を寄せて、「色葉、キモっ」と言ってきた。

けれど今の私は機嫌がいいから、受け流してあげるよ!心の広い私!

授業中にドジやらかしてみんなに笑われても、まあいいかとポジティブになれるくらいには、浮かれちゃってた。


…四限前の休み時間、までは。


「今日は、水野くんと帰るんだよね?」

「うんっ!」

音楽室への移動教室中、ミオと話しながら歩いていたら。

向こうから、派手めな女の子たちがこっちへ歩いてきて。

水曜日の放課後はどうしようか、何して過ごそうかなあ、なんて話していた私達の横を、彼女たちはすっと通って行った。

…その、すれ違いざまに、ボソッと言ったのだ。


「…調子のってんじゃねーよ、ブス」


…えっ。

私の動きが、一瞬で止まる。

…えっ、と。今、なんて?

「…………」

「色葉?どしたの?」

スタスタと向こうへ歩いて行く彼女たちの後ろ姿を、呆然と見つめた。


< 75 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop