眠り姫はひだまりで【番外編】
誕生日の放課後っていう貴重な時間を、純くんは私と一緒に使ってくれるって言うんですよ。
そりゃ、嬉しいに決まってるじゃないですか、アナタ。
そう言ってフフフと笑うと、ミオはあからさまに眉を寄せて、「色葉、キモっ」と言ってきた。
けれど今の私は機嫌がいいから、受け流してあげるよ!心の広い私!
授業中にドジやらかしてみんなに笑われても、まあいいかとポジティブになれるくらいには、浮かれちゃってた。
…四限前の休み時間、までは。
「今日は、水野くんと帰るんだよね?」
「うんっ!」
音楽室への移動教室中、ミオと話しながら歩いていたら。
向こうから、派手めな女の子たちがこっちへ歩いてきて。
水曜日の放課後はどうしようか、何して過ごそうかなあ、なんて話していた私達の横を、彼女たちはすっと通って行った。
…その、すれ違いざまに、ボソッと言ったのだ。
「…調子のってんじゃねーよ、ブス」
…えっ。
私の動きが、一瞬で止まる。
…えっ、と。今、なんて?
「…………」
「色葉?どしたの?」
スタスタと向こうへ歩いて行く彼女たちの後ろ姿を、呆然と見つめた。