俺しかいない
「おいっ!!お前ら
桜ちゃん知らねぇか!?」
俺は急いで駿たちのもとへ走りよった。
「桜ちゃん?
お前と一緒にいたじゃんか~」
駿はへらへらと答える。
「俺がジュース買いにいってる間に消えたんだ」
「ジュース!?
俺ものど渇いた~
翔、俺らのも買ってきてよ~」
駿は桜ちゃんのことなんか一切気にしていない。
「ばっきゃろ~!!
桜ちゃんがいないんだっつってんだろが!
早く探さねぇと…」
俺は桜ちゃんのパーカーをぎゅっと握り締めた。
「あのさ~
桜だって子どもじゃないんだから、すぐ戻って来るよ~」
と美里はのんきなことを言う。
「お前なぁ!
こんだけ人が多いんだから
変な男につかまるだろが!」
「翔君、大丈夫だって~
桜はつかまったりしないよ~」
華世ちゃんまでこんなことを言い出した。
こいつら
なんでこんな平気なんだよ!?
桜ちゃんはどう見てもつかまるだろ!?
俺はこいつらに失望し
一人で桜ちゃんを探すことにした。