二番目の女。



朦朧とする記憶の中、颯太に別れを告げた時を思い出した



****



「今、なんて言ったの?」


颯太は眉を寄せる



『私、颯太の事本当に大好きだったの』



さんざん利用してきた




どこかチラつく修平さんの姿



気付かないように気を付けていた




でも――、修平さんの温もりを思い出すといてもたってもいられなくて、颯太をこれ以上傷つけたくなかった





『大好き、だった…ごめん…』



"だった"は、過去形



「意味、わからねえよ」



銃のゲームを置いて、ジー、と見る颯太の目を逸らした




『もうこれ以上颯太とは、いられない…



本当に、大切な人だから、幸せになってほしいの』




"もう好きじゃないから"
"嫌いになったから"
"他に好きな人がいる"

もっと冷たい言葉で突き放せばいいのに、それをしない私はなんて弱くて醜い人間なんだろう…?




『幸せになってね』



ニコッと笑ってゲームセンターから出ると、


「無理に決まってんだろ!」


ぎゅ、と腕を掴む颯太に固まってしまった
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