二番目の女。
朦朧とする記憶の中、颯太に別れを告げた時を思い出した
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「今、なんて言ったの?」
颯太は眉を寄せる
『私、颯太の事本当に大好きだったの』
さんざん利用してきた
どこかチラつく修平さんの姿
気付かないように気を付けていた
でも――、修平さんの温もりを思い出すといてもたってもいられなくて、颯太をこれ以上傷つけたくなかった
『大好き、だった…ごめん…』
"だった"は、過去形
「意味、わからねえよ」
銃のゲームを置いて、ジー、と見る颯太の目を逸らした
『もうこれ以上颯太とは、いられない…
本当に、大切な人だから、幸せになってほしいの』
"もう好きじゃないから"
"嫌いになったから"
"他に好きな人がいる"
もっと冷たい言葉で突き放せばいいのに、それをしない私はなんて弱くて醜い人間なんだろう…?
『幸せになってね』
ニコッと笑ってゲームセンターから出ると、
「無理に決まってんだろ!」
ぎゅ、と腕を掴む颯太に固まってしまった