危険なキス

「あ、あんなことシてっ……その日に急に辞められて……
 もしあたしが変なこと言わなかったら、先生は辞めなかったのかな、とか……
 どうしてあんなことしちゃったんだろう、とか……
 自分でもよくわかんないことばっかり考えちゃって……」

「……」

「すっごい煮え切らなかった!!
 不完全燃焼みたいで、ずっと心がモヤモヤしてっ……。
 おかげで全然、勉強に集中出来なかったじゃないですか!!」


そこまで言い切ると、先生は再び笑った。
だけどそれは、意地悪な感じではなく、屈託ない笑みに見えた。
 
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