危険なキス
 
楠木も、言いながらそれがキスマークであることに気が付いたのか、言葉を途中でやめた。

あたしも咄嗟にその場所を手で押さえる。


最悪…。
すっかり忘れてた。


一昨日は、つけられたばかりということもあって、人と会話するときは必ず髪の毛をそこへ持って来たり見られないように気を付けてた。

だけど1日休んで、結構薄くなったキスマークは、その存在をすっかり忘れさせていた。
 


「な、なんでもないよ」



と言いながらも、手をどかせられない。

これ以上、楠木にこんなものを見せられない。
 
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