危険なキス
「でもお前、それって……」
「柊さん」
楠木の言葉を遮るように、あたしたちの横から別の人の呼びかけが聞こえた。
そこには、キスマークをつけた張本人、湯浅先生が立っていた。
湯浅先生は、お得意の仮面でふんわりと微笑むと、
「昨日と一昨日の連絡事項と配布物がありますので、一緒に職員室に来てください」
「あ、はいっ」
あたしは、これ以上楠木に詮索されたくなくて、逃げるように先生のあとへついていった。