危険なキス
「は、始めるって何を?」
「決まってんだろ?男の部屋で、男女二人がすることと言えば……」
「…っ」
あたしの腕を取り、体を取り押さえる。
どんどんと距離を詰め寄ってくる先生に、あたしはどうすることも出来ず固まっていた。
「ま、待ってください!
あたし、そういうつもりじゃっ……」
「ほら、やるぞ」
「え?」
先生はあたしの腕をとった肩から荷物を引っ張ると、鞄から参考書を取り出した。
「勉強、しに来たんだろ?」
「!!」
そう言って、にやりと笑う。
ハメられた!!
顔が真っ赤になり、先生を睨む。
「紫乃ちゃんは、えっちだなぁ」
「うるさいっ!!」
恥ずかしさで怒鳴り散らすと、ドンと机の前に座った。
「お願いします!!」
「はいはい」
そんなあたしを、先生は面白そうに笑っていた。