危険なキス
 
それから2時間は、完全に集中タイムとなった。

ひたすら問題集を解き、分からない箇所があれば先生に聞く。
その間、先生はパソコンで学校の資料をまとめているみたいだった。


「はい、ストップ!」
「え?」


急にストップがかかり、先生が参考書を閉じる。
意味が分かっていないまま、一枚の紙を渡された。


「はい、テスト」
「ええっ!!」


そこには、数学の問題が20問。
懐かしの、先生の手作り問題だった。


「今から20分。よーい、スタート」
「わわっ……」


全然心の準備が出来ていないのに、先生は勝手に合図をする。

あたしは慌てて、問題に目を通した。


だけどこの感じ、
すごく懐かしい……。


あの時は本当に嫌で嫌でしょうがなかったのに、今は少しだけ楽しかった。
 
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