危険なキス
「じゃあ、お前は教室戻れ」
「先生は?」
「俺は職員室。朝のホームルームは別の先生がやってくれてるよ」
先生は真っ直ぐの廊下を歩いていく。
「先生っ!!」
あたしは思わず、呼び止めてしまった。
「……なんですか?」
振り向いた先生は、もう素の先生じゃない。
教師という仮面をかぶった湯浅先生だった。
「……いえ…なんでもないです……」
あたしはこれ以上何も言えず、一人階段を上がっていった。
先生を好きでいるのは
本当にもうやめるんだ……。