危険なキス
「……どういうことだよ?」
「そのまんまの意味。
これからの様子、見ていればきっと分かるよ」
それだけ言うと、雅人はパンと両手を打った。
「さ!暗い話は以上!
もっと別の話で盛り上がろうぜ」
そして言われるがまま、俺たちは飲み直した。
雅人の言っている意味が、イマイチ理解出来なくて、最後の言葉だけが妙に引っかかった。
紫乃とあいつは違う。
違うのは分かってるけど……
でも……
《もう関わらないであげてっ……》
俺には人を幸せにする権利はない。
それだけは変わらない。