闇に咲き誇る桜





しばらくそうしていると、後ろから小さなため息が聞こえた事から、諦めてくれたのだろうとほっとした。



斎「・・・無理に聞こうとは思わない。



だが一つだけ覚えておけ。

お前の過去に何があろうとお前はもう一人ではないし、俺たちはお前をけして裏切らない。」



驚いて振り返るが、斉藤はそれだけ言うと、「なるべく早く部屋に入れ。」とだけ言って帰って行った。




『お前はもう一人ではない。』




夜「師匠・・・。貴方と同じ事を言って下さる方がここにもいました。」



ふと師匠の言葉が蘇った。


だが同時に焦燥感が出てくる。

こんな所で、こんな事をしている場合じゃない。

焦りは禁物だが、怪しまれなくなったら“仕事”を入れていくか・・・。



特にすることもない俺はその日は大人しく部屋に戻った。





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