君が好きだから嘘をつく
誰もいない部屋の中でボーっとしてどれくらい経ったかな?
そんなに長い時間は経っていないと思うけど、涙を流したら気持ちが少し落ち着いてきたみたい。
また澤田くんに涙を見られてしまったことが何だか恥ずかしい。
ハンカチまで借りちゃったし・・洗って返さなきゃ。
バッグに手を伸ばし、中からハンドミラーを取り出す。開いて顔を見ると、化粧がほとんど取れちゃっている。
ミラーを閉じてバッグに戻した時、澤田くんが部屋に戻ってきた。紙袋を持って。
「待たせてごめん、柚原大丈夫?」
そう言いながらこっちに歩いてくる。
「うん、ごめんね。本当に恥ずかしい」
泣いたことも、化粧が取れてしまったことも恥ずかしくて俯くと、澤田くんは私の前にしゃがみこんだ。
「そんなことないよ。柚原が無理して笑うより全然いいよ」
そう言われて少し顔を上げると、澤田くんは優しい笑顔で覗き込んでいる。
そして紙袋をカサカサ音させた後、温かいカップを私の手で包むように渡してくれた。
私の手を一瞬包んだ澤田くんの手は、カップとは反対に冷たい。
そんなに長い時間は経っていないと思うけど、涙を流したら気持ちが少し落ち着いてきたみたい。
また澤田くんに涙を見られてしまったことが何だか恥ずかしい。
ハンカチまで借りちゃったし・・洗って返さなきゃ。
バッグに手を伸ばし、中からハンドミラーを取り出す。開いて顔を見ると、化粧がほとんど取れちゃっている。
ミラーを閉じてバッグに戻した時、澤田くんが部屋に戻ってきた。紙袋を持って。
「待たせてごめん、柚原大丈夫?」
そう言いながらこっちに歩いてくる。
「うん、ごめんね。本当に恥ずかしい」
泣いたことも、化粧が取れてしまったことも恥ずかしくて俯くと、澤田くんは私の前にしゃがみこんだ。
「そんなことないよ。柚原が無理して笑うより全然いいよ」
そう言われて少し顔を上げると、澤田くんは優しい笑顔で覗き込んでいる。
そして紙袋をカサカサ音させた後、温かいカップを私の手で包むように渡してくれた。
私の手を一瞬包んだ澤田くんの手は、カップとは反対に冷たい。