太陽と月




「だっ大丈夫ですか!?」



思わず駆け寄ろうとするが、足に力が入らずよろける

そんな私の様子を見て、睨む様に新郎新婦から視線が投げられた


すると




「大丈夫ですか!?」




聞きなれた声が側から聞こえる

勢いよく隣を見ると、駆け寄ってきた大西主任だった



そして倒れ込んだまま動けない新婦さんと新郎さんに駆け寄り手を貸す


すると、そのまま下を向きながら立ち上がった新婦さん

スポットライトが当たる中、耳まで真っ赤なのが分かった



そんな中、機転を利かせた司会の方が上手く場を和ませる

それに合わせて、ゆっくりと高砂に向かう新郎新婦



その後ろ姿を未だに足に力が入らない私は床に座り込んだまま見つめた

すると




「立って」




そんな私の姿を見て、小さくそう言ってから私の腕をグイッと持ち上げた大西主任

そのおかげでやっと立ち上がる事のできた私だけど、足に力が入らない

その事を悟ったのか、速足で私の腕を引いて外へと連れ出された


< 59 / 353 >

この作品をシェア

pagetop