最大の出来事
 いつか離れてしまうことを考えると、寂しさが胸の中に広がった。

「・・・・・・育ちゃん、俺が離れても、また家に遊びに行ってもいい?」
「うん!もちろん!」

 いつでも来てほしいことを言うと、璃穏は嬉しそうに笑った。

「育ちゃん、俺と友達になってくれて、嬉しかった。でも・・・・・・」
「何?」
「いつからか、友達じゃ、その・・・・・・嫌になって・・・・・・」

 何か不快なことをしてしまったのか、育実は不安に駆られる。

「違うよ!そうじゃない!」
「じゃあ・・・・・・」

 璃穏は頭をくしゃくしゃにしてから、育実に顔を向ける。

「俺、育ちゃんのことが好き。その、友達・・・・・・以上に・・・・・・」

 予想外の出来事に、育実はとても驚いた。

「育ちゃんは?」
「私は・・・・・・」

 きちんと相手に自分の気持ちを伝えないといけない。

「私も璃穏君が好き!」

 自分と同じ気持ちだと知って、互いに嬉しくてどうにかなりそうになった。

「・・・・・・焦った。断られるかと思った」
「そんなことしないよ!」

 育実は首を激しく振りながら、否定をした。

「これからも仲良くしようね。育ちゃん」
「はい!」
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