闇ノ花


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今日も、美祢さんと一緒に夜ご飯を作る。


私は人参や大根を、包丁で勢いよくドンドンッと切っていた。


それを、困った様子で見ている美祢さん。





「よ、芳乃ちゃん、そんなに急いでやると手を切っちゃうよ?もっとゆっくりやって?」


「ストレス発散……ですっ!」


「へっ?す、すとれす……?」





きょとんとした表情で、首を傾げながらカタコトで復唱する美祢さん。


あ、そっか。


未来の言葉だから分からないのか。


だけど、説明する余裕なんてない。


だって今日は、伊東さんの歓迎会らしく……土方さんは私に、こう言ってきた。









“上手い飯を作れ”






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