闇ノ花


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さすが、西本願寺。


庭はものすごく広かった。


そして、前の屯所と変わらないくらい立派な桜の木。


伸びをして、気持ちいい空気を吸う。





「……芳乃さん」





その時……嫌な声が、私の耳に入ってきた。


最悪。





「何ですか、伊東さん」





何で朝からこんなムカつく人の顔を見ないといけないの?


私は、自然と伊東さんから距離をおいていた。


前みたいな事をされてたまるもんか。





「……山南さんの事は、残念でしたね」


「……」





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