闇ノ花

これでもう、私には絡んでこないし、少しは反省しただろう。


いい加減うんざりなんだから。


だけど、伊東さんはまた面白そうに笑った。


……は？


どこに笑える要素があるわけ？


意味分かんない。


腹が立って、拳を握る。


山崎……こういうのを、アホって言うんじゃないの？





「君は本当に面白い。別に、新撰組が嫌いなわけないですよ。ただ、少し思想が違うというだけで。山南さんについても、私が悪い事はないと思います。自分の意見をそのまま述べたまでですから」


「……」


「ははは、ますます気に入りました。芳乃さん」





伊東さんはそう言って、笑いながら私に背を向けた。


……気に入った？


うわ、最悪だ……。


嫌われるつもりもあって、結構頑張って言ったのに……。


私は伊東さんの背中を睨みながら、唇を噛んだ。