闇ノ花
ここから月を見上げる事が出来るのは……これで、最後。
私の予想だけど、去年の丁度今ごろ、あの刀が出てきたから。
一月の満月の、次の日に。
もしかしたら明日、刀が出てくるかもしれないから。
「すみません……誰にも、言わないで下さい」
「お前……」
「──私、未来に帰ります」
いつの間にか、私の目から涙がこぼれ落ちていた。
「山崎は、いいのか」
「え……」
「山崎とあのままで、いいのか?」
そう言われて、心が揺らぐ。