闇ノ花




……。





「……は?」


「いいね?小松さん」





いやいや、ちょっと待った。


何だか、嫌ですとは言わせない雰囲気。


ここから出たいのに!





「ていうか、“監察方”と“小姓”って何ですか」





そこからだよ、まず。


……嫌な予感しかしないけど。





「うーん……監察方は、まぁ忍であるなら務まる。新撰組だって京の人達に悟られないように、監視をするのが主な仕事だ。で、小姓は……土方の雑用だな、簡単に言えば」





にこりと笑う男の人。


いや……監察方はまだしも、雑用⁉


それより、“土方”ってまさか、さっきから睨んでいる人じゃないよね?





「む、無理です!」





私に、そんな事をやっている暇なんかない!





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