闇ノ花
そう言ったにも関わらず、男は満足気な笑みを浮かべる。
「私は新撰組局長の近藤勇です。よろしくお願いします」
「え、ちょ……っ」
それから、他の人達も自己紹介を始める。
待ってよ……!
人数が多すぎて、いまいち誰が誰だか覚えられないし。
唯一覚えられたのは、スタンガンを見せた男と、さっき一人で爆笑していた男だった。
土方歳三と、沖田総司。
……やっぱり、土方さんって人がさっきまで私を睨んでいた男だった。
この人の雑用……いや、小姓?
最悪、私絶対この人苦手だ。
スタンガン見せた時少し馬鹿にしちゃったかもしれないし、これはかなりやばい。
私、本気で新撰組に入隊するの?
有り得ないよ、こんな事……。
「よしっ、じゃあみんな自己紹介も終わった事だし、解散!」
近藤さんがそう言うと、みんな次々と部屋を出た。
残念な事に、これはもう決定事項。
私の新撰組入隊は、強制的に決められた。