闇ノ花
「よいしょっ」
パタンッと布団を広げて、掛け布団をかけて。
ふう……完成。
これで山崎がいつでも寝れる状態。
「出来たよー。私、先に寝てていい?」
「あぁ……いや、お前どこで寝るつもりで……」
山崎の声を聞く前に、部屋の隅に行って小さく丸まる。
寒いけど、こうやって丸くなれば少しは暖かい。
それに……絶対、私は今、誰にも信用されていない。
ここは、人斬り集団新撰組の屯所だ。
全員信じたという言葉もただの口実のはず。
そう思わせて安心をさせ、私の事を監視する。
少しでも気を抜けば、殺されるかも……しれない。
逃げるなんてもってのほかだ。
この人達は絶対、私を見付けるまで地の果てまででも追ってくる。
寝たふりをするだけで、寝るつもりはない。
いつでも戦えるように。