闇ノ花
……あ!
「や、山崎!」
「ん?」
「布団、敷いとくから仕事とかやってて!」
「え、あぁ。いや、でも……」
私は早口でそう言いながら、部屋の隅にある押し入れに向かった。
ここに、布団がある……はず……って、え?
一つしか……ない?
あー、どうしようかな。
だけどこれ、山崎の布団だろうし、とりあえず敷いておこう。
私は布団なしで寝ればいい。
ちょっと寒いけど、我慢我慢。
それに、夜は誰にもバレないように外に出る予定だから。
少しでも、忍の腕を上げないと。
特訓を終えたら、誰かに見つかる前に、すぐここに戻るつもりだ。